ラミネート加工の理由とラミネート加工の種類について

これからは自前で作ろう!ラミネート加工の基礎知識

ラミネート加工とは

ラミネーターでのラミネート作業
ラミネート加工とは、インクジェットプリンターで印刷した画像やカラー写真など印刷物の表面に、薄いフイルムを貼る作業を言います。
ラミネート加工の目的は、水やほこり・傷・色あせなどから画像を守る保護する役割の他に、画質を変換するためにも利用されます。
たとえば、ツヤの無い紙に印刷したものでも、ツヤのあるフィルムでラミネート加工をすれば簡単にツヤを出すことができます。
逆にツヤのある紙に印刷したものに、ツヤのないマットな質感のフイルムをラミネート加工することで、ツヤを抑えた画質に変換することができます。

(※左の写真はツヤのあるグロスラミネートフィルムで加工している様子です)

ホットラミネートとコールドラミネート

会員証や診察券に使われるパウチ(ホットラミネート)
ホットラミネート加工(いわゆるパウチ加工)は、会員証などによく使われます。硬めに仕上がるため、折れに強く、強度を持たせたいものにぴったりです。
ホットパウチラミネーターの売れ筋商品
よく、病院の診察券やジムの会員証などが透明なフィルムで覆われているカードがありますよね。あれも、ラミネート加工の一種です。「パウチ加工」または「ホットラミネート」と、一般的には呼ばれてます。
このパウチ加工は、ホットラミネーターと呼ばれる機械で加工できます。高い温度をかけることでラミネートフィルムを溶かし、その粘着力で対象物を覆い、加工します。
みなさんがよく見慣れているラミネート加工はこちらのタイプで、両面をラミネートフィルムで覆うため、糊の関係もあり硬めに仕上がります。

「電脳ラミネート」で多く取り扱っている大型ラミネーターは、コールドラミネート加工"を行うもので、その名の通り、ラミネートの加工の時に熱を必要としません。その代わり、どう加工物とくっつけるのかというと、単純にラミネートフィルムに塗布された糊を、圧着させてくっつける形になります。
簡単に言えば、透明なシールを上に貼る感じです。
そのため、片面へのラミネート加工となり軟らかめに仕上がるのが基本となります。

ラミネーターについて

大型のラミネーター
コールドラミネーターの売れ筋商品
ホットラミネート加工でも、コールドラミネート加工でも、それぞれの専用の機械が必要になってきます。
(※コールド加工の場合は、手で貼って出来るものもあります)
その機械が、「ラミネーター」と呼ばれる機械です。
ホットやコールドに限らず、加工したい様々な幅にも対応できるようにラミネーターの種類も豊富です。
右図の機械は、当サイトで扱っている「大型のコールドラミネーター」です。機械にはローラーがついており、そのローラーの間をラミネートフィルムとラミ加工したい対象物を通過させることで、圧着できるわけですね。

低温サポート付のラミネーターは、このコールドラミネーターのローラー部分などに低温のヒーターがついています。ホットほど熱はあがりませんが、大体60℃ほどまで温まり、コールドタイプのラミ加工をサポートしてくれます。
ロール式のホットラミネーターは、両面糊付のフィルムで挟み込みますが、構造としてはコールドラミネーターと似たようなものとなります。ラミネーターの種類によっては、コールドラミにも対応していることがあります。

コールドラミネートのラミネートフィルム

左・グロスラミネートフィルム 右・マットラミネートフィルム

左がツヤ有りラミネートフィルム(グロス)
右がツヤ無しラミネートフィルム(マット)

コールドラミネート加工の、ラミネートフィルムにも色々な種類があります。
表面の質感では、マット(ツヤ消し)とグロス(ツヤ有り)があり、それぞれに違った材質のフィルムが存在します。ラミネート加工した後の画質が、グロスの場合はツヤが増し、色が鮮やかに見えたり高級に見えます。マットの場合は、ツヤがなくなり、色が落ち着いた発色になり、上品に見えます。
もちろん感じ方は個人で変わりますが、一般的にグロスとマットの違いはそのように感じられるようです。
また、屋外で使用する場合は、UV(紫外線をカットする剤)が、糊に含まれている物が多く、長期間、屋外で使用して退色しないようになっています。

下の図が、ラミネートフィルムの主な材質と特徴です。
種類 特徴
OPPフィルム 透明感に優れている。
短期イベント(短期使用物)、擦袈を防ぎたい場合に最適。
軟質塩ビフィルム 屋内ものに使われることが多い。
曲面施工が他のフィルムに比べて容易である。
硬質塩ビフィルム 屋外長期ものに使われることが多い。
平面施工の時に使用される。
フッ素フィルム 汚れ防止、キズが付きにくいという特徴を持ち、ホワイトボード用のフィルムとして使われることもある。
アクリルフィルム 環境問題に配慮されたフィルム。
透明感が最も高く、耐擦袈性にもすぐれている。
屋外長期ものにも使用することができ、環境に対しシビアな所も施工が可能。
オレフィンフィルム 環境にやさしく、耐候性に優れているため、屋外長期のものや環境にシビアな場所への施工が可能。